RSS | ATOM | SEARCH
2018.11.7(水)購読クラス

2018.11.7(水)購読クラス         陈 老师   出席6名

『到城里去死』
『死ぬ為に町に行く』
邵 火焰著
(2015中国微型小説排行榜 p116-118
 
峔爷の頑固さときたら、(九头牛也拉不回)梃子でも動かない。
峔爷の奥さん峔奶も息子の山猫もそう言う。
山猫が大学受験で、本科の自費学生として合格した時、峔奶は
学費の少なくて済む専門学校でよいのではと言い、山猫本人も
家の財政をよくわかっていて、先ずは専門学校へ行って、その後
本科へ行ってもいいよ、と言った。その時の峔爷の様子がこちら
→峔爷点燃一支烟,连连吸着,待那笼罩着他的烟雾散尽后,峔爷
弹掉了烟头,布满老茧的大手就势一挥,说,不行,得读本科,没钱
把房子卖掉。(峔爷は煙草に火をつけ、しきりに吸っていたが、
立ち込めていた煙草の煙が消えると、煙草の先の灰を弾き落とし、
硬いタコでいっぱいの大きな手を勢いよく振って言った。だめだ、
本科へいくべきだ。金がないなら家を売り払うまでだ。)えーっ。
お父さん!家を売って、私達はどこに住むの?峔奶はビックリ。
峔爷は、山の裏の植林地の廃墟となった監視小屋に住むと言うの
でした。=頑固一徹だけど、優先第一位は子供。
 
小屋に暮らし8年があっという間に経ち、息子の山猫は出世し、
自分の家を持ち、両親を呼び寄せようとするが、峔爷は頑として
同意せず、しかたなく、山猫は両親にゆったりした家を贈った。
歳月は静かに過ぎ去り、山猫は所帯を持ち、息子もできて、毎年
春節には車で帰郷した。毎回山猫は両親に何か入用なものはないか
尋ねるが、その度野菜は自分で作っているし、何もいらない、と
峔爷は返事をしていた。けれどもある年峔爷は言う。ここ何年か
身体が一年一年悪くなる感じがする、早いところあの世に逝った
後の棺桶の準備をしたい。山猫はその願いをかなえ、一万元の
最高級の棺桶を買った。棺桶は大きくて立派で正面には大きな
金色の繁体字の「寿」の字があり、蓋をあけると木の香りがした。
素敵な棺桶にウキウキの峔爷の様子がこちら→峔爷竟然爬进棺材里,
四仰八叉地躺在里试睡了一下,出来后连叫舒服啊舒服。平时峔爷也
爱时不时踱到棺材前抚摸几下。(峔爷はなんとまあ、棺桶の中に
入り込んで大の字になって中で横になって試しに寝てみた。出て
来るとしきりにいい気分じゃ、と繰り返した。いつも峔爷は
しょっちゅう用もなくうろうろ棺桶のところに来てちょっと撫でる
ことがお気に入りになった。)
 
ほどなく、政府は農村で火葬の普及を始めた。それに激しく反応
した峔爷。「俺を火葬したい奴がいるなら、命を懸けて戦う!」
「あなたが死んだら、誰がとことん戦うの?」峔奶のナイスな
つっこみ。それに対して「息子に言え、私が死んだら絶対に
火葬するな、息子がどんな方法を望もうと、どんなにお金がかか
ろうとも関係ない、私はこの棺に眠り土葬にされなければなら
ない。もしそうでなければ、あの世で鬼になり、おまえを
許さんとな。」
火葬普及の間、峔爷はちょこちょこ病気はしたけれど、運よく
大したことはなく、(弯弯扁担就是不断)竹の天秤棒が
しなって折れないように死に至ることはなかった。数年たつと
政府が火葬については大目に見るようになった。もちろん農村は
また土葬に戻った。棺に入れられ土葬されることが叶うこと
になりそうでご満悦の峔爷。峔奶に言う。老婆子,看来那棺材
像你一样,与我今生有缘,还是我睡。峔奶照峔爷背上捶了一拳,
笑骂了一句,你个老不正经的东西!(ばあさんや、どうやら
この棺桶はお前さんといっしょだな、私とこの世で縁があるのお。
やっぱりわしがこいつに寝ることになりそうだのお。峔奶は峔爷の
背中を拳でたたくと笑って言った。おまえさんたらまったく
ふざけたこと言って!)=作中、峔爷と峔奶のほほえましい
掛け合いが度々描かれ、作品全体に温かみを与えています。

ある年の春節、山猫は一家三人で車を運転し帰郷した。山猫は
戻る時に、両親に家を売って、町で一緒に暮らそうと提案する
が、峔爷は断る。「町に行って、将来死んで金の棺に眠ったと
しても、わしは行かん。わしは一生どこへも行かん。行くなら
母さんだけ連れていけ。」山猫はあきらめた。翌年峔爷は病気に
なり、残された日は少なくなった。はじめはベッドに横になって
テレビを見られたのが、それもできなくなった。
ある日、峔爷は峔奶をよんで言った。「すぐ息子に電話をして
戻って来させなさい。わしは町へいって、奴のところに
住みたい。」峔奶が山猫に電話をすると、最後に峔爷は受話器を
とって、言った。「車で来るんじゃないぞ、電車で来なさい。」
山猫は電車でやって来て、家と棺桶を売り払い両親を連れて
町へと戻っていった。棺桶を売る時峔爷は意外にも少しも未練
がなかった。

峔爷は息子のところに来て一ヵ月たたずにこの世を去った。
臨終にあたり峔爷は息子によくよく話して聞かせた。「私を
田舎に運ばなくていいからな。私が死んだら、火葬し、遺骨は
町の共同墓地に埋葬し、母さんに言いなさい。母さんが死んでも
田舎に戻って埋葬はできない、火葬し私と一緒に埋葬するように
と。」
山猫は母親に尋ねた。「父さんはあんなに頑固だったのにどうして
180度考えが変わったの?」母親の説明によると、清明节の
ある日峔爷はテレビのニュースで高速道路で多くの事故が起きて
いて、ある事故で一家三人が亡くなったのを知った。将来自分が
田舎に埋葬されたら、毎年息子が清明节で田舎に戻ってくるのに
苦労するのを心配したのだ。「父さんは安心できなくてね…。」
山猫が壁の峔爷に目をやると、そこで峔爷は笑っていた。
山猫は顔いっぱいに涙を流した。 (終わり)
==珍しく、親子ともども思いやりがありました。理想形
といったところ。

難しさ★★☆☆☆    面白さ★★★☆☆
今後の予定 11月21日、28日、
      12月 5日、12日、19日
   休みは11月14日、12月26日(16日は誤り。訂正します)1月2日
   1月については2日のお休みのみ決定。1月の
   その後の予定は未定。
author:多摩中, category:講読編, 13:57
-, -, - -