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2018.7.11 Wednesday>>講読編,

2018.7.4(水)購読クラス         陈 老师   出席8名

去乡下      秦 龙 著
(2015中国微型小説排行榜 p86-88)
『田舎に行ってみたら』
冒頭は主人公董阳の問題意識から始まります。
若是真的没人种庄稼,我们以后吃什么呢?(もしもだれも農作をし
なくなったら、その後私達は何を食べるんだ?)董阳は口粮问题
(食糧問題)の解決方法を分析しようと決心し、田舎へ調査に
向かう。一面の緑豊かなトウモロコシの畑を通り抜けると、彼の頭
はこの問題にさらに囚われる、これもあれも遺産登録だ。農作物の
栽培技術を無形文化遺産として上申しなければならないのではない
のか?ある村に着いてみると、見るのは数人の老人と一団の子ども
たち。やはり、報道の通りだな、働き盛りは皆町へ出稼ぎに出て、
村には身寄りのない老人と子どもしかいない。ある老人に尋ねる。
こんなでは誰があの一面の畑に作付けするんだ?
=董阳の高尚な問題意識は裏付けされ、募ってゆく。
 
農作する人材について聞かれた老人の答えは,作付けの頃には、
出稼ぎに出ている人が戻ってくるし、戻ってこられなければ、お金
で人を雇うまでのこと。収穫の時も同じ。決して作地が荒れる事は
ない。董阳は疑問を投げかける。本当にお金で人が見つかるのか?
老人はきっぱりと、見つかる、いつもここを離れない連中もいる、
ただたくさんお金を払えばいいだけのことだ、と言う。これを
きいた董阳、村に残った農民に会わせてほしいと老人に頼むが、
彼らは忙しいから相手するような暇はない、年越しのころなら
戻ってくる多くの村人に会えると言う。そうした人は进城务工者
(町に行った労働者)という新しい呼ばれ方をしている、と
言った老人は笑った。董阳はこの笑い顔に含みを感じる。
 
田舎から戻った董阳は、田舎の農作が雇われた町の人によって成り
立っていると聞いて不思議に思ったと人に話す。が、そのことは
周知のことだった。董阳に対して人々は言う。町にリストラされた
労働者があふれているから農作に行けるよ。你看看,现在城里的多
少人包了农村的土地?骑摩托车去,打个回快得很,不耽误回家
洗澡,看电视。有条件的,还开着小汽车去呢?(見てみなよ。
今や町のどれだけの人が農村の土地を請け負っていることか。
バイクを飛ばして、仕事をしては、あっという間に戻って来て、
手間取ることなどなく、家に戻って風呂に入って、テレビを見て
いるよ。できる奴は乗用車も運転して行ってるよ。)
=董阳くん、ちょっと世間知らず?
 
気をつけていると、農具片手に和やかに田舎に行く人々を見かける
董阳。ますます興味を持つ董阳→日新月异的生活让董阳倍感妙趣无
穷,他对身边发生的一切充满着好奇。(もしかしたら、日進月歩の
生活が董阳に妙趣が限りないとますます感じさせ、彼は身近で起こ
っている一切のことに対して好奇心いっぱいなのだ。)董阳は
調査報告を書き終える決心をし、老人の話を思い出し、年越しの
頃に再びあの村に行き出稼ぎから帰った農民たちを見に行くこと
にした。
年越しの村では、人が多くなっていたが、あの老人はどこにいる
のかわからなかった。董阳はある農家に入っていくと、そこでは
青年たちが麻雀を楽しんでいた。董阳が話しかけてもなかなか
話しにのってくれない。「あんた、ほうぼうでむやみに顔つっこ
むんじゃないよ。年末はいつもこんなだよ。村の外で一年中働いて
やっとこの数日はゆっくりしているんだ」それに対して董阳が
言いたかったのは一年之记在于春,可不能光顾着休闲虚度了光阴。
(一年の計は春にあり、休みをいいことに、無駄に日々を過ごす
なんて全くいけないことだ。)でもさすがに実際に言えたのは
「家に戻って、麻雀。畑の作物はどうするのですか?」
なーにいってんだ?こんな真冬に作物なんてあるもんか。あった
としても麦の苗だし、雪が降って綿の布団となって覆ってるよ、
面倒みる必要などないさ。董阳は相手にされずにそこを出る。
 

その時あの老人に会う。老人は真新しい中国服を纏っていて数人
の大人と子供達に取り囲まれていた。新年の挨拶をした董阳に対し
て老人はしきりに笑うとぼそぼそと言った。その取り囲んでいる
人たちは雇っていて、本当の家族は戻らず外地で年越しだと。
そのとき董阳はびっくりして、口あんぐり。レンタル家族!
町に戻ると董阳は調査報告の大綱をびりびりに破った。
そして思う。春になったらまた田舎にいってバイトしようっと。
(終わり)
=董阳くん。お役人らしいです。壮大な食糧問題に取り組もうと
 していた頭でかっちぶりがちょっとコミカル。
 
難しさ  ★★☆☆☆    面白さ  ★★☆☆☆
今後の授業   7月25日 8月1日・8日・22日
             (7月18日・8月15日と29日はお休み)
8月に懇親会をする予定です。

 

 

author:多摩中, category:講読編, 13:31
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2018.7.4 Wednesday>>講読編,

2018.7.4(水)購読クラス         陈 老师   出席6名

孝心痛       许 仙 著
(2015中国微型小説排行榜 p83-85)
『孝行心の痛み』
 
主人公钱最孝(お金、最も孝行?まさにこの名前がお話のテーマ
とも言えます。)は5つ星レストランに香港の商人を送った後、
狭心症のように胸が急に痛みますが、すぐその痛みは消えます。
その時携帯が鳴り妻から祖父の死を知らされます。呆然とする
钱最孝、その夜の内に故郷の麦村へと戻ります。
亡くなったお祖父さんの様子がこちら→爷爷像一截长不大的老桑树
弯曲在床上;树根状的脸上布满苦难的皱褶,微启的嘴唇像一道
刀口。(お祖父さんはまるで一本の大きく育たなかった桑の枯れ木
のようにベッドの上で曲がっていた;木の根のような顔の上には
苦難でできたしわが一面に敷き詰められていた。かすかに開いた唇
は一筋の刀傷のようだった。)钱最孝は2本の煙草に火をつけると
1本をお祖父さんの口に含ませ、1本を自分で吸った。お祖父さん
の口の上にはうっすらと煙が立ち上った。お祖父さんは死んで
なんかいない。そこに横になって煙草をすっているんだ。=钱最孝
はまだお祖父さんの死を受け止めきれずにいる。
 
钱最孝は村には葬儀を出してくれるような人がいないと知ると、
電話をかけ続け夜が明ける頃目やにでいっぱいの目をぎゅっと
寄せながらお母さんにすべて準備できたといって、横になった。
寝ることもできず、ずっとぼんやりとしていた。=ここでもまだ
悲しみの波はよせてきていない。
 
ここから钱最孝の生い立ちが語られます。父が早世し、母は病気で
お祖父さん一人に育てられた钱最孝。貧しい暮らしぶりがこちら→
家里吃了上顿没下顿,爷爷和母亲只有一件夜当棉被日当衣的褛衫,
他却有两套衣裳,因为他要出门读书。(家は飲まず食わずで、祖父
と母は夜は布団として、昼は服としてぼろぼろの服が一着あるだけ
なのに、钱最孝は学校に行くので2着上下揃いの服を持っていた。)
当時村では学校へ通う子どもはいなかったので、钱最孝は学校では
いじめられ、また村でも嘲笑の対象となっていた。钱最孝は勉強は
苦手で(读不进书)不良の仲間になった。そんな钱最孝の不始末を
詫びるお祖父さんの様子がこちら→倔强的爷爷在派出所里像孙子似
的人长跪不起。(堅物のお祖父さんは派出所で小さくなって跪き
ずっと起きなかった。)=この像孙子似的人の人は省くと訳しやす
い、「孫のように」はへりくだってというような意味。そんな
钱最孝、自分の学費がお祖父さんが血を売ってつくってくれたこと
を知った時、奮い立って勉学に励み出し、大学に受かり、服飾デザ
インを専攻した。钱最孝はお祖父さんとお母さんにこの世で一番
美しく温かい服を着せてやりたいと誓ったのでした。

お祖父さんの死の知らせをうけ帰郷した2日目。ここからお金を
かけ、钱最孝がお祖父さんの葬儀のために用意したものが語られ
ます。すごいです。(顕柔訶噌作団に在籍していたメンバーに
よるプロの泣き屋さんの一団が到着。钱家の庭で一団が構えを
整えただけで村に衝撃が走る。『紅楼夢』の歌「黛玉葬花」や
「宝玉哭灵」を歌いながら泣き、泣きながら歌う。村人たちは
その雰囲気に酔いしれ、虜となった。⇔鼠人の一団も到着。
車一台に肉料理野菜料理の材料を満杯に積んで4讐海録燭胆屬
マホガニー製両端には虎の龍が描かれている =すごいですね。
村人の目は釘付け。ね髪師到着。お祖父さんの髪と髭を整え、
死化粧をほどこし、ついでに钱最孝の頭も丸刈りにして、
その頭の光具合といったらどこでもいつでも目に留まる。

中午(ここの中年は誤植)十碗头。晚上十碗。吃的久旱逢甘雨的
全村老小无不痛哭流涕,都说钱老汉这世人做着了,有这么大孝孙
子。(昼にも夜にも十種類の料理。よく食べて、こんなこと
めったにないと村をあげて老いも若きも激しく泣いて、涙を流さ
ないものがいない。皆は言う、钱祖父さんは一生良く身を処して
きたから、こんなに孝行ものの孫に恵まれたんだな。)けれども
钱最孝は、他是想借他们的眼泪和哭声,来表达失去爷爷的悲痛;
但他怎么听,都觉得没有表达出来,他又一阵心绞痛。(彼は泣き
屋の涙や泣き声を借りてお祖父さんを失った悲しみを表したいと
思ったのだが、彼はどのように聞いても、表現しきれてはいない
と感じ、又、あの胸の痛みが襲った)

ここで又、钱最孝のこれまでの話となります。大学を卒業すると
町の服飾メーカーに勤め、特に目立つことはなかったが、社長
令嬢に気に入られた钱最孝、婿入りについて悩み故郷に帰り、
祖父に相談した。祖父は男子たるもの仕事が第一、入り婿は
何も問題ない!と迷う钱最孝の背中を強く押した。その後
钱最孝は会社を継ぎ社長となったわけだが、実家を継げず、
祖父や親戚には申し訳なく思っていたのだった。

葬式は終わり町に戻ると、钱最孝は検査をうけたが心臓には何も
問題がなかった。が、胸の痛みが突然钱最孝を襲うことは続いた。
五七の日に钱最孝はひと箱の段ボール箱を持って村へ戻った。
お祖父さんの遺品を燃やした。钱最孝は町から車一杯に紙製の
お供え物を持って来ていた。お祖父さんがあちらの世界で豊かな
生活を送れるようにそろえたものだ。夜が更けて人は寝静まる頃
钱最孝はお祖父さんのお墓にあの段ボール箱を担いで蝋燭を
掲げてやってきた。箱の中から木の葉を一枚取り出し、火をつけ
お祖父さんのお墓の前で焼いた。2枚、3枚…。
この段ボール箱一杯の木の葉は小さいころ月明かりを頼りに
お祖父さんと庭で切って作ったものだ。2人は木の葉を切って
自分のあこがれの衣装を作った。それを着たところを想像し
ながら、いつも笑ったものだった。お祖父さんと2人で未来
を夢見て、たくさんの衣装を作ったのに、それなのに、钱最孝は
一枚の衣装もお祖父さんに作らなかった。お祖父さんはやはり
村の老人が着る普通の洋服を着て逝ってしまった。
木の葉の衣装を焼いて、焼いて、その時突然又痛みが襲った。
10数年分の消えていた涙がにわかにはらはらと溢れ出した。
彼はやっとお祖父さんを亡くした悲しみを感じて、動けなく
なった。静かに涙が悲しみを伴って、気がふれたように彼の体
から湧きあがってきた…  (終わり)
=金満家葬儀の様子がすごいなあと思いました。あんまり
心に響かないのは何故でしょう?钱最孝に孝行できなかった
正当性があまりなかったから?テーマがあるあるだから?
難しさ  ★★☆☆☆    面白さ  ★★☆☆☆
今後の授業   7月11日・25日
             (7月18日はお休み)
author:多摩中, category:講読編, 13:23
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2018.6.28 Wednesday>>講読編
2018.6.27(水)購読クラス         陈 老师   出席7名
                                                                    
卖野酸枣的孩子       李 寒烟 著
(2015中国微型小説排行榜 p79-82)
先週に引き続き、少年ものです。
主人公の虎子=『ナツメを売った子』。
冒頭は虎子のある朝の描写で始まります。わずかに空が白んでくる
ころ、虎子はすでに眼ざめていた。昨日の晩の寝しなに、虎子は
自分が寝過ごしてしまうのを心配して、おばあちゃんに翌朝早く
起こしてねと、何度もよく頼んでいた。思いもよらず(哪成想)
この夜は全くよく眠れなくて、夜が明けるとすぐに大事な事を
しに行くことを思うと、興奮して眠りながら眼が覚めた。
起きてきた虎子をおばあちゃんは心配して、昨日一日中山でナツメ
を摘んでたのだからまだ横になっていなさいと声を掛けます。
本当に(可不是咋的)、昨日の土曜日虎子と大猛と妞妞(名前)は
連れだって山に行き、人里から遠く離れた七连山で、一面ナツメの
林をみつけ、大喜びで、手も目もまるでフル回転しても摘むのに
追いつかなかった。
おばあちゃんが持たせてくれた手袋は、手際が悪くなるので
ポケットにしまい込んでむき出しの手で摘みに摘んだ虎子。
ナツメの木の棘で手には血が出てそれを吸い取っていたが、
そのうちそれにも全く構わなくなって、夢中で摘んだのでした。
 
ナイロン袋にずっしりといっぱいのナツメを背負って家路をたどる
虎子たちは、売ったお金で何をするか話をします。
妞妞:貯金してお正月にパパとママが帰ったら、一緒に海を見に
   行くわ。
大猛:ママがお正月に帰って来たとき、もう僕は海は見に行った
   から、かっこいいリュックがほしいな。
2人の言葉を聞いた虎子の切ない気持ちが分かるのが次の箇所→
虎子的嘴角有些耷拉下来。(虎子の口元は少し下がった。)
虎子の両親は一年生のころから出稼ぎにでていて、今五年生に
なっているけど、お金がかかるので、お正月に戻って来たのは
たった2回だ。虎子很懂事,想爸妈的时候就偷偷地哭,不让
奶奶看见。其实,他多么盼望爸妈每年都回家过年,只要爸妈在
身边,他就高兴,看不看大海都不重要。(虎子は物分かりが良い、
お父さんとお母さんが恋しい時はおばあちゃんに見られないように
こっそりと泣いた。実際、彼は両親が毎年帰省してお正月を過ごす
ことをどれほど切望したことだろう。ただそばにお父さんとお母
さんがいてくれるだけで、彼は嬉しいのだ。海を見るとか見ない
とかはどうでもいいのだ。)妞妞と大猛が虎子にお金の使い道を
尋ねたときの虎子の様子に、その心が表現されています。
他紧闭着嘴巴,像没听见似的,低着头只顾着路。(彼は口を
ぎゅっと結び、まるで二人のいう事が聞こえていないように、
下を向いてひたすら先を急ぐだけだった。)
 
村外れの李おじさんの買い付け所で、李おじさんは地面に置かれ
たナイロン袋を一つ一つ測ると、よく摘んだもんだなと驚いた。
売れたお金は虎子が一番で43元8毛だった。李おじさんが明日
市場に行くので一緒に来てもいいと言ってくれたので、虎子は
おばあちゃんに許しをもらい、李おじさんと明日8時に出発と
約束したのだ。…
 
そして今6時になったばかり、興奮してもう起きた虎子は
おばあちゃんに抑えられ、寝るように促されますが、すり抜けて
南の部屋で宿題をします。==とても偉い子です!!
いよいよ李おじさんの軽トラに乗せてもらって町へと向かう
虎子。ワクワクする少年の心が伝わります。「おじさん。
海はどこ?」「海は町の一番東の外れにあるよ、町の中心から
20里はあるかな、仕入れが終わったら遊びに連れてってやるよ」
虎子はおじさんを手伝って2時間以上は忙しく働いていると、
おじさんの電話が鳴った。おばさんが赤ちゃんが生まれそう
とのことで、急遽帰ると言われがっかりした虎子ですが、一人
残り海を見て後から帰ることにします。走り去るおじさんの
軽トラにむかって、「おばあちゃんには心配しないでって
いってね」と叫ぶ虎子。==良いシーンです。冒険心は持って
いるけど、心配かけることがわかっている。いい子です。
 
初めて海をみた虎子の様子がこちら→面对无边无际波澜壮阔的大海
时,简直有些惊呆了。身旁传来小朋友快乐的欢呼声,他嬖蘚看着
那些在父母陪伴下尽情嬉戏的孩子,鼻子一酸,眼泪一下子涌
出来了。他紧弯下腰,掬起一捧海水洗去脸上的泪水,洗脸的时候
他偷偷伸出舌头舔了舔,呀,海水怎么和眼泪一样是咸的?
(果てしない雄壮な海に向かい、まるであっけにとられたように
なった。そばの子どもたちの楽しそうな歓声が伝わって来て、
あんなふうにお父さんとお母さんと一緒に思う存分遊んでいる
子どもたちを見ていると虎子は羨ましくて、鼻の奥がツンとして、
とたんに涙が湧いてきた。虎子は急いで腰をかがめると海の水を
掬いとり、顔の涙を洗い流した。顔を洗いながら、舌をそっと
伸ばしてちょっと舐めてみたら、ああ、海の水ってなんで涙みたい
にしょっぱいのだろう?==海を初めて感じている少年。ここでも
両親を求める思いが溢れます。
 
自分だって海は見た!妞妞と大猛に自慢できる。虎子はうきうきと
バスで町へ戻ります。ナツメを売ったお金で虎子がまず買ったのは、
おばあちゃんの老眼鏡でした。針仕事をしているおばあちゃん。
最近めっきり老眼がすすみ虎子は針の穴に糸を通すのを手伝って
いたのです。これでおばあちゃんは困らないな。==ああ、なんて
良い子なのでしょう。
この後虎子はお腹が空いて、喉が渇いて、食べ物を買おうとします
が、煎饼果子は一個5元もする。買うのがおしい(没舍得买)。
虎子はミネラルウォーターを1元買って飲んで、飢えをしのぎ、
道行く人に聞いて本屋へと向かいます。本屋ではあまりの本の多さ
にびっくり。先ずどの本を先に読まないといけないのか、まるで
わからない。でも最後に児童文学コーナーで気に入った本を
見つける。「海底2万マイル」だ。定価12.8元。買える!それを
一旦戻して、他のSF小説も興味津々で読みます。
 
おばあちゃんの眼鏡と本を抱いて、後ろ髪を引かれながら、駅に
つくと、切符売りのおばちゃんに家までの切符は8元だと言われ
ます。しまった!もう3元しか残っていない。そこで虎子は途中
の村までの切符を3元で買い、あとは歩いて帰ることとします。
果ての見えない道を小走りでたどり、疲れると道端の縁石に腰を
おろし、ちょっと休んではまた走る。夜のとばりが降りる頃、
村の外れにやっと到着する虎子。虎子は動き回る束になった
懐中電灯の光が遠くから自分の体を照らすのが見えて、耳に
馴染んだおばあちゃんの心配している声が聞こえてきた。
虎子はぐっと胸が熱くなって、大声でおばあちゃんと叫ぶと、
涙が一気に流れ出した。  (終わり)
一途な少年の親を求める純真な思い、おばあちゃんとの間の
愛情にもに胸打たれます。虎子がいい子なので、最後はほろり
でした。誰もが憶えのある子どものころの気持ちがよみがえる
作品でした。
 
難しさ  ★★☆☆☆    面白さ  ★★★☆☆
今後の授業   7月4日・11日・25日
             (7月18日はお休み)

 

author:多摩中, category:講読編, 13:12
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2018,6,13(水)購読クラス
2018.6.13(水)購読クラス         陈 老师   出席7名
                                                                   見学者1名
五婶与羊   历 剑童 著
(2015中国微型小説排行榜 p76-78)
『五婶と山羊』
学校から帰ったとたん、僕は家の中で父と母が話しているのを耳に
した。それは、隣に住む五婶(五叔の連れ合いなのでこの呼び名。
「僕」とは血縁関係はない)が年取ったメス山羊(羊:羊と山羊
両方を表す、この場合、後で山羊胡子ヤギの髭が…という描写が
出てくるので山羊。また母羊→メス山羊)に荷車を引かせて
下肥を運んでいてひっくり返り危うく谷に落ちるところだった
という話だった。
 
唉,要不是老五走的早,真苦了她了。(ああ、老五が早く亡くな
らなければよかったのに、本当に彼女は苦労するな。)両親の話
は五婶の身の上話へと及んだ。五婶は村では有名だ、それは
自由恋愛の末、実家の反対を押し切り、両親が早世して貧乏な
五叔と式も挙げずに暮らし始めたからだった。その二人の幸せな
様子がこちら→两人你敬我爱,日子倒也得红火。(二人は互いを
大切にし、結婚生活はとても幸せだった。)ところが、10年も
経たぬうち、五叔父は急病で亡くなった。五婶哭得昏天和地,
死去活来。(五婶は気を失うほど泣き、身も世もなく泣いた。)
それでも暮らしは続けていかなければならなかった。悲運に
見舞われた五婶、どんな女性かが続いた。
 
五婶生得娇小,模样漂亮,性情温顺,活脱脱一朵小花。
(五婶は生まれつき華奢で弱々しく、容姿は美しく、性格は
大人しく、まるで一輪の花のようだった。)まだ若く、か弱く
美しい五婶。五叔の死後、上门提亲的踏破门子,(縁談を持ちこむ
人はあまねくあった。)が、息子が傷つくことを心配し、見向きも
しなかった。あっという間に10年が経った。你平时能帮帮一把,
邻邻居居的。(おまえも普段から、手伝えるなら手伝わないとね、
お隣さんなんだから。)
==邻邻居居は名詞n+n+動詞v+vという珍しい形式。方言。
両親の思いやりのある言葉を聞きながら、僕はとにかく五婶が
山羊を使って荷車を引くそのことに心奪われ、すぐに見物に
出かけた。
 
メス山羊の描写がこちら→母羊个头挺大,只是比较瘦弱,身上缠了
两根大草绳,两根长木棒一左一右夹在脖子上。母羊站在那里,眼睛
安详地看着五婶装车,…(メス山羊は背が高いが、わりに瘦せて
弱々しかった。体には2本の藁縄が巻き付けられ、2本の長い木の
棒が〈交差して〉首を挟んでいた。メス山羊はそこ〈五婶の庭〉に
立って、その目は落ち着き払っていて、五婶が下肥を車に積むのを
見ながら…)
 
更に、メス山羊が肥入れを満杯に積んだ車を引く様子が続きます。
老母羊在前面拉,母羊身上的两根绳索跟着车子走动的节奏一松一紧,
一松一紧。…母羊拉车的样子让人觉得不是一只羊,更像是一个拉船
的纤夫。(老いたメス山羊は車を前で引く、山羊の体の上の2本の
縄が車が動くリズムに合わせて、緩んだり、きつくなったり、緩ん
だり、きつくなったりしていた。…メス山羊が車を引く様子は
一匹の山羊ではなく、まるでひとりの船を引く人足のように
感じさせるものだった。)僕は車の脇についていって、木の棒を
鞭代わりに、山羊を追い立てたりした。
 
「僕」は中学に上がり、村を出て寄宿したので、五婶が山羊を
使って車を引く光景を目にすることは二度となかった。母に
よれば、五婶はまだ山羊に車を引かせて肥や作物を運び、また
畑仕事もしていた。母は何度となく手伝うことを申し入れたが、
断られた。五婶の気性を母は語った。你五婶是不想欠人家人情。
母亲说。没想到,看他柔柔弱弱的,骨子里那么要强。(五婶は
人に借りを作りたくないのよ。母は言った。思いもしなかったわ、
見たところ弱々しい五婶が芯がこんなにも強いなんて。)
その後中学一年の後期の夏休み、家に戻った僕は五婶が子どもの
進学の為にあの山羊を売ったことを知る。五婶はその日、山羊に
とっておきの草を食べさせ、首を抱いてずっと離さなかった。
ものが食べられなかった、ということを聞く。その時僕は
なんだか大切なものを失くした気持ちがした。それはもう
五婶があの山羊と車を引く光景を見られなくなったからなのか
五婶の山羊のメエメエという泣き声がきけなくなったからのか、
わからなかった。
 
ところが十数日後、山羊は五婶の元へ戻って来た。五婶が大豆
を積んだ車を引いていると、一匹の山羊が頭で車を押した。
よくよく見ると、それはあの山羊だったのだ。五婶は山羊の
首を抱きかかえ、涙をポトポトと流した。山羊は買い戻された。
五婶の庭で以前のように草を食べる山羊を見ている「僕」の様子
がこちら→蓦地,我心里涌起一阵莫名的感动。我朝正在吃草的
老母羊投去深深的一瞥。(ふいに、僕の心に言い表せない感動が
湧きあがった。僕は草を食べているあの山羊を敬意をこめて
見つめた。)
 
その後、僕が町の高校に上がったあの年の秋に五婶は毒蛇に
かまれ亡くなってしまった。五婶は五叔とともに葬られた。
母の話によると、あの山羊は五婶が亡くなった後、数日間
五婶の家の戸口にへばりつき、えさを受け付けず、餓死して
しまったそうだ。五婶と五叔のそばに今は眠っている。
町にいる僕、夢の中の僕が、あの山羊のメエメエという泣き声を
耳にしたのは、一度ばかりではない。 (終わり)
 
==夫を若くして亡くし、厳しい生活の中、人の情けにすがらず
生き抜いた五婶が唯一頼りにしたのがこのメス山羊だった。
必死で働く五婶と山羊の姿とその深い絆が少年の目を通して
語られることでより一層美しいものに感じられます。
==作者は68年生まれの男性。現役教師だそうです。
今日、大変嬉しいことに、新しいお仲間がお一人増えました!!
 
難しさ  ★★☆☆☆    面白さ  ★★★☆☆
今後の授業 6月27日  7月4日・11日・25日
             (7月18日はお休み)

 

 

author:多摩中, category:講読編, 11:26
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2018,6,6(水)購読クラス 訂正

2018,6,6, 購読クラス ブログ  訂正です。

 

全文中   

×水叔 → 〇水伯 です。

 

変換ミスばればれでございます。申し訳ございません。 ari.

 

author:多摩中, category:講読編, 22:58
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2018,6,6(水)購読クラス
2018.6.6(水)購読クラス         陈 老师   出席6名
百羊川   赵 文辉 著
百羊川
(2015中国微型小説排行榜 p73-75)
『百羊川』というタイトル。中国の大地を流れる川の話?と思いきや、
川のことではないのです。冒頭はある地方の風景描写です。
豫北乡下走一走,要不就是黄土丘,要不就是尖山洼,平原总是被村庄
阻隔,辽阔不起来。黄土丘蹚过,除了绕脚的灰土和地头几棵狗尾巴花,
在没有什么让你注目的地方。(豫北地方を歩くとそこは、黄砂の丘陵
か、深い谷しかなく、平原は村々によって常に遮られ広がりをみせる
ことはない。黄砂の丘陵を歩けば、足にまとわりつく土埃と田んぼと
数本のエノコロ草を除いては、なんら注目するものなどない地方だ。)
セリフが続きます。「ちっ、粟のメシを食って大きくなったくせに!
茄庄の百羊川をしらんのか?献上米を育てた土地だぞ、皇帝、皇帝様
が召し上がるやつをだ。」これは豫北乡下を軽視する若者たちを老人
が罵ったものです。==ここらあたりで、う〜ん。今回は農業がらみ、
難しそう。と思うわけです。==
川ではなく土地のことだとはっきりするのが続きの部分です。百羊川
坐落在茄庄屁股后面的山坡上,别以为真能容的百只羊撒欢,豫北不好
找策马扬鞭的场地,更别说在山上。百羊川才一亩几分地,居然平平
坦坦,…(百羊川は茄村の裏側の山の坂の上に位置していて《その名
のように》百匹の羊を容れて遊ばせられるとは思わないで頂きたい。
豫北全体でも、馬に鞭打ち走らす場所もよくは探せない、山の上なら
なおさらだ。百羊川はやっと一亩と数分のひろさで、意外にも
平らで…)
この百羊川の特徴は、地下に水脈があるようで、茄村が干ばつや水害
でも百羊川は豊作。正に神の田。水質は特別で、土は赤黒い粘土質で、
育った粟の穂は肥え、中身が詰まっていて、香り馨しく、粘りがある。
明朝の時代潞王がこの地まで落ちのびてきてちょっとの茄庄の粟を
口にし、忘れることができず、毎食食べたと言われる。その後献上
するに至った。この百羊川の持ち主は水伯という人で、その祖先は
ここの粟を食べるのが目的の役人によって知事にまで抜擢されたが、
応じなかった。変わることなく平民の農夫であり続け、水伯も一生涯
それを守った。水伯不稀罕什么公社书记,他只稀罕白羊川的秋天,
满坡金黄沙沙作响。(水伯にとっては公社の書記など有難くはない。
彼はただ白羊川の秋が気に入っている。山一面黄金色で、さらさらと
音をたてるあの白羊川の秋が。)==地位や名誉よりも愛する土地と
ともに生きる農業の人、水伯。==
次は農閑期の水伯の仕事、肥やし作りの説明が続きます。草の肥やし
は祖先が掘ってくれた穴に青草、木の葉、麦わらを埋め上から土を
押さえつけ、糞をふりかけて、栄養満点の柔らかい肥やしを熟成させ
て作る。糞は、家畜の後をついてまわりお宝のように集める。茄村の
大人も子供もここの粟が美味しいのは、全てこの肥やしのおかげだと
わかっている。
この粟は欲しがる人が多く、他のものより数倍高い値をつける。
水伯の息子は人に教えられて、「茄庄小米」を登録し、町に小売店を
作り、特産品とともに売るようになった。
==出た!実直なお父さんの息子!町で儲けている。嫌な予感。==
数年後、息子は町に部屋を買い、父親の水叔を迎えに行った。水叔は
年をとり、鋤でさえもう上手く使えなくなって、幾度となく、粟の苗
を稗と思って鋤き起こしてしまうほどだった。息子を百羊川の世話を
する為に留まらせ町にむかう水叔は何度も息子に言いつけた、その
言葉がこちら→“山后的草肥,多割点沤粪。这几年村里掀房的多,给
人家拿盒烟说点好话,老屋土咱都要了,秋后翻地撒进去,‘老屋的土,
地理的虎’,白羊川离不开这些!”(山の後ろの肥やしに多めに肥え
を割り入れるんじゃぞ。この数年村では家を壊すことが多いから、
タバコでもやって、ちょっと上手く話すんじゃ。古い家に使われて
いる土はわしらがまさにほしいものじゃ。秋が終わったころに、土を
耕しこれををまきいれるのじゃ。「古屋の土こそ田んぼの虎」じゃ。
百羊川は古屋の土と切っても切れないのじゃからな。)
==ここのところ、土で作った家を壊し、この土を田畑に混ぜると
いう先生の解説ぬきでは理解不能でした。こういうのが分かるのが
楽しい!陈老师,谢谢。==
さあ、息子。父がくれぐれも頼んだからな、と言われていたのに。
三日とあげず百羊川から町へとやってくる。やきもきするお父さん。
「おまえがこっちに来てしまって、だれが百羊川の世話をするの
じゃ」それに対して、「だいじょうぶだよ。村の独身の老面という
男を雇ってるからさ。こいつはたっぷり車に十杯肥やしをやれば、
ひとすくいだって足りないことはないようなやつさ。老面は植え
付けだって大した腕だぜ。」お父さん息子を信じた。
==ああ、こういう息子って、口がとてもうまい。==
  
そのうち水叔の足は本当におぼつかなくなり、百羊川を見に行き
たくてもあきらめていた。そんなある日家の下で声がした。
「茄庄の粟!いらんかね〜」!!!偽物じゃ!!さあ大変。足も
危ういのに、建物をやっとやっと下りて、売っている人にもの申す
水叔。しかしその人から聞いたのは、百羊川では1000斤しか収穫
できないのに、息子が10万斤の茄庄の粟を売っていて、化学肥料を
使い、古い粟にソーダをもみこんで色や味をつけていることだった。
水叔はバスで百羊川へ向かう。最後に水叔が目にした光景がこちら→
正是初冬,翻耕过的百羊川蒙了一层西细霜,一小撮一小撮麦苗拱出来。
麦龙上横着几只白色化肥包,阳光一照,泛出刺眼的光,直逼水伯。
(まさに初冬で、耕され返された百羊川は一面細かい霜に覆われていた。
ちらほらと麦の苗が芽を出していた。麦の畝には数個白い化学肥料の
袋が横になっていて、日の光が照らすと白い袋がまぶしく光って、
その光が真っすぐに水叔に迫ってきた。)水叔は血を吐き、その場に
倒れた。
(おわり)
難しさ  ★★★☆☆    面白さ  ★★★☆☆
今後の授業 6月 13日 ・27日
      
author:多摩中, category:講読編, 16:24
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2018,5,23(水)購読クラス
2018.5.23(水)購読クラス         陈 老师   出席8名
我只要一份信任   李 翠娟 著
『私はただ信頼がほしいだけ』
(2015中国微型小説排行榜 p70-72)
 
主人公の她が交通事故に遭い、すでに半月病床に臥せっている、という
状況説明で始まります。そして、在网上,她失踪了半个月。她隐身在
线,想看看群里的情况。(ネット上で、彼女は半月の間、現れ
なかった。彼女はライン上で身を潜め、チャットのグループの状況を
ちょっと見ていようと思った。)チャットでは様々な憶測がとび出し、
乱成了一锅粥(大混乱)となっていました。彼女が愕然としたのは、
最も過激な書き込みをしていたのが、生涯を託せると信じていた彼
だったことでした。ショックな様子がこちら→她的心像是掉进了冰窟
一般。(彼女の心はまるで氷の穴に落ちていってしまうようでした。)
 
このチャットについての説明がこちら→她建这个群的初衷是从群里
找到自己的伴侣。(彼女がこのチャットを立ち上げた最初の目的は
チャットグループから自分の伴侶を探すことだった。お見合い
チャット。)この場で冗談を言ったり、本音を話したり、生活や理想に
ついて心おきなく話して、彼女は楽しんでいた。在这样的交往中,
很多网友渐渐出成了知己。(こうした交際の中で、多くのネット友達は
だんだんと懇意の間柄となっていた。)彼女を詐欺だと罵っている
彼もそのうちの一人だったのだ。彼と彼女の関係が説明されてゆきます。

彼と彼女は実際に会うこととなった。彼はネット上で言っていたほど
お金は持っていなかった。その彼に彼女はお金を貸してほしいと言い、
彼は頷いた。その時の彼女の様子がこちら→那一刻,她的心像是开了
花般的温暖。(その時、彼女の心は花が開くように温かくなった。)
……お金借りられたら、大感激!?お金を貸してもらえたので、彼女は
彼を信頼し、真剣交際。(她用心交往)彼に心配かけたくなくて、交通
事故の件はふせていたのに、彼ときたら、詐欺だ!(お金とられた)
とチャットで罵りまくってます…。
 
様々な無責任な書き込みを冷ややかに見つめながら、彼女が何も書き
込まないでいると、そこにジャジャジャジャーン章鱼(蛸さん)登場。
我相信群主的为人,不可能是一个背信弃义的人,她或许真的遇到了难处
…如果你信任我的话,我可以分期帮群主还那笔欠款,虽然我只是一位
水暖工人…(私は主さんの人柄を信じています。信頼に背き義を捨てる
ような人であるはずがない。彼女はもしかして本当に困っているのかも
しれない。…もしあなたが私を信じるのなら、私は主さんの為にその
借金を分割で支払ったって、いい。私はただの水道管工だけど、…。)
そして、実際に定期的に銀行の送金の領収証をアップした。本当に
借金の肩代わりをしたのだ。
 
 
彼女はそれを見ても、まだ書き込むことはせず、秘書に彼の居所を
つきとめさせ、呼び寄せた。彼のことは以前写真で見たことがあった。
全身パテの粉まみれの作業服の彼はまぶしい笑顔だった。そして、
彼女の事務所にやってきた彼は他还是那么阳光地看着她,不卑不亢。
(彼は相変わらず輝くような明るさで彼女を見つめた、高ぶらず、
諂わず。)彼女が借金の肩代わりのお礼を述べると、蛸さんご立腹。
出て行ってしまいます。その時の彼女の様子がこちら→她颓然座倒
在那舒适而高贵的真皮椅子上,脑子木木的,不知如何是好。
(彼女はがっかりして、あの快適で高級な本革の椅子の上に座り
込んだ。ぼかんとなって、どうしたらよいのかわからなかった。)
行方不明の彼女を心配していた蛸さん、こんなに財力のある彼女の
肩代わりを月賦でしていたなんて。
 
最後に彼女は死に別れた夫の遺言を思い出します。再婚してもいいが
財産を狙われるから気をつけろ、息子の為にしっかり財産を守れ、
というものでした。その言葉を胸に注意深く再婚相手を探していた
のに、それがあだとなり、結果として自分が詐欺師と言われる
なんて思ってもみなかった。彼女は、彼を追いかけて出て
ゆきました。(終わり)
人を値踏みしているうちに、大事なものを見失っていました。
息子もいて女一人がんばっていたので、しかたないかもしれません。
ネットに明るくないので、訳がトンチンカンかもしれません。
お許しください。
難しさ  ★☆☆☆☆    面白さ  ★★☆☆☆

今後の授業 6月 6日・13日 ・27日
      (5月30日と6月20日はお休み)
author:多摩中, category:講読編, 11:56
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2018,5,9(水)購読クラス
2018.5.9(水)購読クラス         陈 老师   出席6名
恐 惧      刘 霞著(2015中国微型小説排行榜 p.66-69)
『怖れ』。この短編、社会問題がこれでもかこれでもかと出てまいります。
気が滅入ります。
記者十傑(十佳记者)に名を連ねる「夕刊梦城」の記者である齐天乐は
20年以上マンションの4階に引きこもり、ベランダで野菜を作り、
自給自足の生活をおくっている老人を取材します。玄関先の覗き穴(猫眼)
から表をのぞく老人に、齐記者は身分証を見せます。それに対して、老人は
今や露店で偽の(一个以假乱真的)身分証はいつでも買えるよな、と取材を
拒絶します。すると齐記者、「取材はしませんよ、ずっと長いことこの部屋
からお出にならず、お寂しいでしょう?ちょっとお話しませんか?」
親切めいた記者の言葉に老人は少しずつ一人で暮らすこととなった
いきさつを話し始めます。
 ̄さま。電話会社から1000元あまり不払い、銀行カードも支出超過なので
 固定電話を止め、警察に通報したという電話を受け、警察に電話。警察の
  マネーロンダリングの被害にあっているから安全な口座に全額移せという
  指示に従った。この電話会社も警察も詐欺。まんまと 騙され、警察に通報
  しても、うやむやのまま(不了了之)。その後、一時、気がふれた奥さまは
  飛び出して車に引かれ、お亡くなりに なりました。(她被骗子杀害了。)
△環甲法T躱覽脅鮖件の死亡被害者の数十人の内の一人。犯人の社長
   は捕まっていない。
ご長男のお嫁さん。癌を発症。その原因は、毒米、問題の食用油、農薬
  まみれの野菜、を食し、問題のミルクを飲み、大量の化学工業原料を吸収
  させられ、それが癌の原因だった。(身体被迫吸收了大量化工原料,其中
  好多东西是到癌的凶手)お亡くなりに。
い環甲砲了弔靴燭孫さん。毒ミルクを飲ませ、頭が祖父の頭くらいに
   ふくらみ、他のブランドミルクに換えたが、排尿ができなくなり、腎結石を
   患い、奇形となって、お亡くなりに。
ゼ|砲諒。なんのコネも後ろ盾もなかったが、局長にまで紛れ込んで(混)
   出世。ところが数千万の賄賂を受けとり、死刑宣告。(他贪污几千万,判了
   死刑。)
Δ桓|砲里嫁さん。次男の死後、正気をうしなう。
Г桓|砲了弔靴燭孫さん。落ちぶれて、私立学校から普通学校に通うことに
   なり、学校への送迎、毎日とっかえひっかえのお食事などすべて失い、この
   現実を受け入れられず、悪い仲間にのめりこみ、(跟社会混混打得火热)
   ある喧嘩で、打ち殺された。
この悲劇を聞いた記者の慰めの言葉。「人はやはり真面目にするのがいいの
かもしれませんね。」(看来做人难还是本分点好。)
あんまり慰めになってないです。まだ悲劇は続きます。
┛貎楊次小さい頃は聞き分けの良い子だったのに、金持ちだけど、30歳以上
 年上の(父親より少ししか若くない)にいれあげて、反対を押し切って結婚
 したが、飲む打つ買うの三拍子(吃喝嫖赌)、外に愛人を作り、おまけに
 お金を巻きあげられて愛人に逃げられたあげく家に居つかず、賭博に別荘、
 車をつぎこみ、、娘は離婚した。 その後、絶えず恋人を取り換え、エイズ
 (艾滋病)になって思いつめて(想不开)天国橋から川に飛び込んで自殺、
 お亡くなりに。
 
ここまで聞いていた記者これは特ダネだ!(老人的故事是个不错的
”特别报道”)と思い、カメラを取りだし、老人を写そうとする。
これが9番目。マスコミ。人の痛みなど考えず不幸を垂れ流す。
老人生气了:”你想干啥?我说过不接受采访,我讨厌你手上的那破现代化的
东西。”老人は怒った。「なにをするつもりだ?取材は受けないといっただろ。
おまえさんが持っているそういったつまらん今のものはわしは気に入らん。」
記者はカメラをしまいます。そして老人は続けます。「わしの家には現代の
代物はない。テレビも電話もない。電気も使わない。使うのは蝋燭だ。
おまえさん考えてみなさいよ、テレビをつければ、すべては汚らわしいこと
(乌七八糟的东西)ばかり、汚職、身柄拘束、略奪、殺人、食品問題、食中毒…
こうしたことが目や耳にはいることを拒否している、それがわしが20年以上
外にでない理由だ。」
 
記者は重苦しいため息をつき聞きます。「それで、どうやって生活されて
いるのですか?」老人はベランダに栽培した野菜を記者に見せます。それは
大きく赤いトマト、大きく瑞々しいナスといった、なんの汚染も、農薬もない
エコ野菜(緑色食品)でした。
 
しかし、老人は毎日恐れの中で暮らしているのだと言う。
”现在到处都是城市改造,拆拆拆,我真担心哪天一伙人强行撬开我的门,把我
捆起来,然后房屋变成地…… 每天我都生活在恐惧中……”「今や至る所で、
どこもかしこも町は改造、解体、解体、解体、わしは本当に心配だ。いつか
一団がやってきて、わしの玄関を強引にこじ開け、わしを縛り上げて、建物が
更地になってしまう…」
老人は開発による強制立ち退きを恐れていたのです。
これが番目に起こるであろう悲劇。
 
齐記者は、老人に別れを告げ、建物を下りてゆくとき、乱雑な足音と警笛の
音を耳にする。目の前には黒黒と続く通路、齐記者の心は怖れでふさがれた……。
 (終わり)

面白さ★★★☆☆   難しさ★☆☆☆☆
 
今後の授業 5月23日 (5月16・30日はお休みです。)
author:多摩中, category:講読編, 14:42
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2018,4,25(水)購読クラス

 

2018.4.25(水)購読クラス         陈 老师   出席5名
回 乡      黄 克庭著(2015中国微型小説排行榜 p.58-59)
 
題名は『帰郷』。登場人物は马二梁と 马主任の二人の同級生。
马二梁は22年ぶりに帰郷し、村主任の马の事務所に現れます。
ここから、故郷にとどまった马主任VS都会で暮らす马二梁の
やりとりが始まります。马主任のねちねち嫌味攻撃にご注目。
 
22年ぶりに現れた马二梁を迎えた马主任は、”笑骂道:红屁股!
20多年没有回乡了吧?”(からかうように言った。赤いケツ!20年は
こっちに帰ってないよな?)→先ずは幼いころの呼び名とともに、
長いこと帰省してない点を指摘します。22年ぶりだ。と告白する
马二梁。さらに马主任は追い打ちをかけます。「えっ!帰り方忘れて
んじゃないの?上海におととし遊びにいって、お前に会いたいと
思ったけど、お前の電話を知らないし、おやじさんに聞いても
知らなかったぞ。…」→親とご無沙汰の点をさらに指摘する马主任。
 
 
ばつが悪い马二梁は煙草を马主任に勧めますが、马主任は机に置いて、
马二梁にお茶を入れて渡します。都会の煙草VS田舎のお茶。
さらに畳みかける马主任「お前が大学に受かってから30年くらい
たつな、何回くらいこっちに帰ってきたんだ?」马二梁「結婚前は
毎年だったけど、結婚してからは2回かな。」その後の会話で
马二梁は結婚して23年。娘が23歳。马主任は結婚して33年、息子が
33歳。孫が生後100日でお祝いをする準備を家でしているとわかる。
お祝いの席に寄ることを勧める马主任、「今回何人で来てんだ?」
と尋ねます。「2人だよ。妻は来てない。娘とだ。」これを耳にした
马主任は奥さんが結婚以来てない理由を尋ねます。その马二梁の
お答えがこちら→我老婆一直生活在上海,嫌乡下脏,结婚那年来这里,
看到家里的猪,鸡,羊,就恶心,踩到地上鸡粪,就要吐。…(妻は
上海にずっと暮らしてたから、田舎の不潔さが苦手なんだよ、結婚した
年に、ここに来て、家の中を豚や鶏や羊がいるのを見て、気持ち
悪くなって、地面の鶏のフンを踏んずけて、吐きそうになったんだよ。
…)そんな都会育ちの妻はその夜汚いベットで寝る事がができず、
朝まで座っていたのです。これを聞いて马主任は「来ないのは
無理もないね。ところで、娘さんはこっちには初めてか?
おやじさんとおふくろさんはそりゃあ喜んだだろ?なんの仕事を
してるんだい?」と尋ねると、马二梁は娘は大学3年で入党しよう
としているところだと説明する。ここで马二梁が马主任を22年ぶりに
尋ねてきた目的が明らかになります。娘の入党するのに必要な
年長者に孝行しているという証明を入手することだったのです。
 
これを聞いた马主任の反応がこちら→”你女儿22岁了,才第一次来看
爷爷,也能算孝敬老人?30多年前,你家是全村最穷的人家,可你
爸爸到处借钱,给你读复习班,你考了3年才上大学,结果你一连
20年多年都不回乡,你对得起父母吗?”(お前の娘が22歳で
やっと初めてお爺さんに会うっていうのに、それで、年長者を
孝行してるって言えるのか?30年前、お前の家は村中で一番の
貧しさで、それでもおやじさんはあらゆるところでお金を借り
まくって、お前を塾にやって、お前は3年かかってやっと
大学に受かって、その挙句おまえは20年以上もこっちに帰らずに
それでお前はおやじさんやおふくろさんに申し訳が立つのか?)
お説ごもっとも。马二梁の言い訳→妻が戻りたくないからさ、自分が
帰ってくると妻と娘は寂しい年越しだし、こっちには、兄貴や弟が
年越しにいてくれるから。兎に角 今、娘は向上心があって、それを
邪魔はできないよ。(现在,女儿要求上进,可不能耽误他啊!)
 
马主任は証明の書式を出して、言い放ちます。「自分で書けよ!
若い人の向上心、邪魔はできんからな!(可不能耽误噢!)」
お言葉に甘えて〜马二梁が自ら書いた証明の文の一部はというと
「当該同志は毎年帰省し、祖父母とともに年越しをしています。
たとえ汚いところでも、疲れていても祖父母の家事の手伝い
を進んでしています。」いけしゃあしゃあとこんなことを!
马主任、思わず笑って、嫌味。「うまく書けてるな、だてに
大学出てないな。高校時代、おれがお前の作文をいつも写さ
なきゃならなかったわけだな。」
 
目的達成。証明書を手に入れた马二梁、証明書を丁寧に折ると、
(ここが马二梁が今一番大事にしていることが何か物語って
います。)胸ポケットに入れます。马二梁は娘と町に宿をとり
そこに泊まるので马主任の家でゆっくりはできないと告げます。
まだ時間があるからよってけよ、と马主任。ところが母と同じく
不潔な田舎になじめない马二梁の娘はすでに下調べした马主任の
清潔なマンションで马二梁をちゃっかり待っているということでした。
利用するものは利用する马二梁親子。恐るべし、自己中親子。
马主任の嫌味攻撃も空回りで終わった?
 
面白さ★★★☆☆   難しさ★★☆☆☆
 
今後の授業 5月2・9・23日 (5月16・30日はお休みです。)
次回『良知』は長いため、今回の授業で「読み」は済んでいます。
author:多摩中, category:講読編, 11:09
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2018,4,10(水)購読クラス
2018.4.10(水)購読クラス         陈 老师   出席5名
最好的归宿       张 爱国(2015中国微型小説排行榜 p.53-55)
    
『最良の落ち着き先』
何の落ち着き先?主人公の文教授は、ここ数年憂慮していることがあるのです。
それは彼の家の数万冊にも及ぶ蔵書です。现在,文教授身体一天天虚弱,用他
自己的话是离”回家”的时日不多了,身后,这些书归宿在哪?(今、文教授の
体は日一日衰弱し、彼自身の言葉によると、あちらに逝くまでの時間はあまり
残っていない。自分が死んだあと、これらの本の落ち着き先はどこだろう?)
彼には子どもはない。寄贈を考えたが、図書館は本の扱い方が不満。学校は
本の内容が子どもむけでない。個人に寄贈といっても、有几个人能善待书?
(本を大切に扱える人なんて何人いることやら。)
兎に角、文教授は本が命。色々なルートで時には大枚叩いて収集してきた。
こんなに憂慮する日がくるとは思ってもいなかった。
  
本が命の文教授の本への愛がわかる文がこちら→
文教授常常踯躅在一排排做工考究的书橱间,抚摸着一本本散发着只有自已
才熟悉的气味书。… 每一本来历,他都历历在目;每一本,他都细细读过
一遍两遍,甚至多遍;每一本的内容,思想,他更是了然于胸。
(文教授はいつも一列一列丁寧に作られた本棚の間を彷徨っていた。一冊
一冊の本を撫でさすり、唯一自分だけが熟知している本の香りををまき
散らしながら。…一冊毎のいわれは皆彼にとってはありありと目の前にあり、
一冊毎、彼はすべて子細に1回、2回、ひいては何回も読んだ。更には
一冊毎の内容、思想、は彼の胸にはっきりとあるのだ。)
文教授にとって本の価値とは…就不说它们对自己做学文的裨益吧,
单自己这几十年来的淡定从容,心静如水,都得拜这些书所赐---
书的价值,也莫过于此吧。(本は自分が学問をするのに有益だとは
言う必要はない、ただ、自分がここ数十年、ゆったりと落ち着いて
いられること、心が静かであること全てはこれらの本から授かったものだ。
本の価値というなら、これに勝るものはない。)
  
自分の死後、愛する本の落ち着き先を考える文教授の憂慮は
段々と深まってきました。そんな時、教授はバスに乗り、一人の青年に
席を譲られます。この青年は携帯をいじらず、イヤホンをつけて半眠り
でもなく、本を読んでいた。同じ駅で降りると、青年は遠慮がちに
文教授がバスで読んでいた本を貸してくれないかと、頼んできた。
教授の本の価値を理解してのお願い。その本を手に入れた苦労など
思い出し、ためらう教授の様子を見て、青年は教授の本への愛を
感じ取り、お願いを取り下げ去ろうとしたその時、教授は彼に貸す
旨を告げ、青年は大喜びする。返す方法を尋ねる青年に対して、
教授は「返さなくてよい、この本があなたにたどり着けたのだ。
それがこの本の最もふさわしい落ち着き先なのだ…。」
青年がしきりに礼を述べ大喜びで立ち去る姿を見ながら、
教授の目の前は突然ぱっと明るくなり、長い間の憂慮は
すっかりなくなった。その後、毎日教授は本を持ってはバスに乗り、
席を譲ってくれた人に本を贈るようになった。その本には
教授が自ら書いた書きつけが挟まっていた。
その文句は仅凭您刚才的礼让,我相信,您就是这本书最好的归宿。
「ただ、あなたの先ほどの礼譲により、私は信じます、
あなたこそがこの本の最良の落ち着き先です。」
  
席を誰も譲ってくれなかったら?
もうすぐお亡くなりになるのに間に合うの?
とか考えてしまいます。本の始末は大変。心静かに本を読む
ということも少なくなってきています…。

面白さ ★★☆☆☆  難しさ ★★☆☆☆
4月は18日は休み。次回は4月25日。
5月の予定は4月25日に決めます。
author:多摩中, category:講読編, 14:08
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