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2019.9.11Wednesday>>講読編,

2019年9月11(水) 講読    出席7名(聴講3名)

2015中国微型小 排行榜P.191-193)

 

情火  欣 著

『愛情列車』

=一人で初めて遠くまで行く旅で少し寂しく緊張していたけれども、突然の訪問で彼が驚いて喜んでくれるかもと思うと、やはりとてもワクワクしていた。

=私と同じコンパートネントにはもう一人女性がいて、向いの下の段だったので私がちょっと首を伸ばせば、すぐ彼女を見ることができた。彼女もまた、遠く一人で旅をしていたが、でも、私とは逆で、彼の所から離れて行くところだった。彼女はしきりに電話をしていてその通話から、私は彼女がカレのことが大好きなんだなと思った。毎回通話の始まりには彼女は必ず尋ねていた。今どこ?その後はじっと聞いて、優しく穏やかに話すと、最後には満足して切っていた。

=なんてラブラブなんだろう。私は羨ましいと思わなくはなかった。私と彼とはなんであんな感じじゃないのかな?

=列車がゴーゴーと走る中、夜の色が降りてきて、私はすぐに夢の中へと落ちていった。ぼんやりと私はその子の声を聞いた、それは闇の中でとりわけはっきりとしていた。今どこ?矢継ぎ早に問い詰める。当直?当直なの?そんな問いかけが何遍も繰り返され、そして語気が強まってゆく。私は真夜中にいったい何の電話なの?と不満に思いながら、また眠りに落ちていった。けれども、感情を押し殺した問いかけの声がひとしきり続き、また私の夢を邪魔した。彼女はきいている。言ってよ、いったいどこにいるの?誰といっしょなの?ちょっと静まって、彼女の言い方はきつくなった。とうちょくぅぅ?本当に当直なのねっ?

=コンパートメントの他の客もみな起こされて、起き上がって様子を見たり、何度も寝返りをうって音を出して不満を伝えていた。彼女が電話を切ると、彼女の太い怒りの息づかいが聞こえてきた。

=寝台をおりて、トイレに一度行くと車窓の向こうは真っ暗でたまに灯りが流れ星のようにかすめていく。私は心の中で彼女の事情に思いを寄せていた。結局カレの方が誠実でないの?それとも彼女の方が疑り深いの?

=寝台に戻ると他の人達はいびきをかいていて私がまさに眠りに入ろうとしたその時、彼女がまた電話を始めた。でも声は塞いでいて、私が頭を出して、指示灯のかすかな灯りをたよりに見ると、彼女がふとんをかぶっているのがわかった。そんなだけれど、彼女の気持ちは彼女の声から伝わってくる。また他の人が寝返りを始めた。

=彼女は差し迫って言っている。弟弟、吴の職場へ行ってちょっと見てきてよ。少し間があって、彼女はいらっとして言った。行ってて言てんだから、行ってよ。また間があって、焦ってちょっと怒りながらお願いして言った。切らないで。弟弟、5百元あげるから。それならいいでしょ!

=私はひそかに笑ってしまった。目を閉じて寝ようとしたけど、目が冴えて、いっそのことと、携帯で、チャットを始めた。こんな人といっしょなんて、ほんとにいやになっちゃう、と思ったり、こんな人のカレはほんとに大変ね、なんて思っていた。私だって何度か彼の電話口から女の子の声が聞こえたことあるけど、全然気にならなかったわ。

=突然、彼女の携帯が鳴った、私は様子をうかがう。彼女はあわてて音が出ないようにしたけれど、その焦った声をごまかす余裕はなかった。えっ?吴が会社にいないの?確かなの?続けて、私は彼女がどんと座ったのが聞こえた。そしてその後、ヒステリックに叫んだ。吴、いったいどこにいるの?まったく、何しているのよ?

=少し間があいてから彼女はふたたび吠えた、泣きながら叫ぶ。吴、わたしとは遊びだったのね?わたしはあなたの為に、たった一人でこんな遠くまで来てるのに、こともあろうによからぬことをたくらんむなんて、あなた、良心ってものがないのね?ちょっと間があって、彼女はまた問い正す。食べる物を買いに出てるって言うの?十分で会社に戻る?ふーん。そう。わたし、弟をあなたの会社に待たせているんだからね!

=みんな目が醒めて、暗闇の中、怒りの視線を一斉に彼女に向けたが、彼女はそんなことに配慮できなくなっていて、居ても立っても居られなくて、泣きながらののしり続けていた。携帯の蛍光の光が彼女の顔を照らし、彼女の顔中に涙の跡があるのを私は見た。彼女はすぐに自分の失態に気づき、すみません、と言うと寝台の上にひっこんで口をしっかりつぐんだ。私は彼女の肩が小刻みにしゃくりあげているのに気づいた。

=十分ほど静かになって、彼女は電話を打ち始めたけど、繋がらない。カレが彼女の電話を受けなかったに違いない。彼女は突然地面に携帯を叩きつけて、寝台の上に這いつくばってすすり泣きを始めた。みんな何が起きたかわかって、彼女に同情が湧きあがって、乗務員が様子を見にやって来ても、みんなは口を揃えて、何でもない何でもない、と言った。私は寝台を下りて、彼女の傍らに座ると、そっと彼女を慰め、彼女は私の頭を抱きしめて声をあげて泣いた。

=みなさん、ごめんなさい。私、本当にこらえられなくて!彼女の涙いっぱい目が揺れながらコンパートメントを見渡した。私は言った、大丈夫よ、誰だって悲しいときはあるわ。

=一人が彼女の携帯を拾って渡し、彼女がお礼を言った時、携帯が鳴った。慌ててラウドスピーカのスイッチを押し間違えたので、通話がちょっとの間聞こえてしまった。ねえちゃん。吴伟が事故った!何?吴伟が事故って?彼女の声は震え始めた。カレは会社から10キロのところでスピードを出して運転していて、事故に遭ったのだ……

=私は目的地に到着し、鞄を背負ってプラットフォームに降り立った。すでに朝日が昇っていた。彼女の不幸が私の心を影のように覆っていた。私はそれを何とか列車でのひとつの夢にすぎないのだと思おうとしていた。

=こんな気持ちのいい週末、なのに、彼はまだ宿舎にいない。私は彼の電話番号を打った、しばらく鳴ってやっと出た。今どこ?朝早いのに。私は急にこの始まりに慄然とした。あの子がのりうつったの?君か、ぼくは宿舎だよ!彼はハハハと笑っていた。電話の中から女の人の声がかすかに聞こえた。ホント?わたし、今、あなたの宿舎にいるんだけど!私の心はさっと冷たくなった。彼はちょっと黙ると、いささかつっかえながら言った。ホントに来てんの?あ、今さ、車で食べる物を買いに出てるんだよ、十分で戻るよ!待ってて!ハッ、急いで戻って来なくっていいわよ、わたし、ちょっとからかっただけだから。

=この瞬間、私はある決断をした。その後彼と私が何を言ったか、一言も印象に残ってない。私はすぐにも通話を終わらせたいとひたすら願っていた。彼の方はと言えば、さらにベラベラと話し続けていた。私は彼が何とか言葉をひねり出していると分かっていた。

=私は携帯の電池がないわ、と言った。彼は、そうか、ねえ、ぼくに会いにいつ来るの。列車が便利だよ。

=電話を切ると、私はため息をついて、ひっそりと考えた。列車は便利かもしれないけど、だんだんと遠のく愛情を運んだりはできないのに。一台のタクシーに手を振ると、私は列車の駅へと戻っていった。

 

 

面白さ★★★★☆   難しさ★★☆☆☆

 

 

今後の授業:9月25日

 

 

 

author:多摩中, category:講読編, 15:30
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第101期(第51年) 第22次 中级班
2019年9月10日
第101期(第51年) 第22次 中级班
老师:刘彩芹 老师
上课会员:8位
 首先我们用汉语对话了,
9月9日早上来到东京地区的第15号台风“法茜",
这是50年以来最强大的台风。
10日晚上很多房屋还没有电。
 今天我们第28课的课文翻译成日语,老师把生词说明得详细了。
作为是用”着想“造一个短句子。
提醒你们9月24号没有课。
9月17号见
author:多摩中, category:中級編, 13:48
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説明会参加の皆さまへ

お知らせ🎃


土曜日の説明会に参加の皆さまへ


9月6日金曜日の入門クラスは休講です‼️

9月13日金曜日の授業はあります‼️


取り急ぎ‼️


author:多摩中, category:-, 23:13
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9月3日 中級班

2019年9月3

第101期(第51年) 21

 

老师:刘彩芹
:8位

 

这次进入了28课 第一个走过金水桥的人。老师首先说明“金水桥”的位置,数量,形状等等。

然后学了59页的生词。下次从课本开始,作业是背生词的。

下周见!

 


 

 


 

 

author:多摩中, category:中級編, 10:18
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2019.8.28Wednesday>>講読編,

 

2019年8月28(水) 講読    出席7名(聴講3名)

2015中国微型小 排行榜P.188-190)

『快乐着死去』          冯 伟山著

『幸せに死んでゆく』

 

=父は教師だった。退職後は暇にしていて、村で結婚式や葬式があるといつも手を貸してと頼まれて、招待状や対聯等を書いたり、時にはちょっとした場面で言葉を贈ったりしていた。父はそうした機会を大変喜んでいた。父には溢れんばかりの華々しい才能があったし、それを発揮できるからだ。そのうちに、近所で喧嘩や、嫁姑の諍いがあると、必ず父はとりなしてくれと頼まれるようになった。父は頼まれれば嫌とはいわない人で、毎度事態を見事に解決した。次第に父は村では何でもできる人だということになった。

=ある日、村の大奎が父を訪ねてきて、玄関に入るなり泣きながら父に跪いた。==(要約)大奎の父親は癌の末期で、医者には余命わずかだと言われ、まだ頭の方はしっかりしていたのに、突然食べなくなって、何か心配事があるようだけど、聞いても言わないということだった。そこで父は様子を見に行く==

=父が大奎の父親の寝台の前に来ると、大奎の父親は仰向けに寝ていて、とても衰弱していた。父を見ると、その両目をさっと閉じた。その目からこもごも混じった老いの涙が数滴滲み出た。

==(要約)父は彼の手を取って彼が妻を早くに亡くした中で大奎をほんの小さなころから育てた生涯を労った。大奎はもう成人したし、孫もいる、満足してもいいはずなのに、何か心配事があるなら伺いますからと言う。==

=大奎の父親は両の目で力なく父を見ると、小さな声で言った。私の人生は本当に苦しいものでした。耐えに耐えてかろうじてそのかいがあったところで、こんちきしょう、病気になって、気持ちがふさいでいるのです。それで、考えているのは、死んだ後、面目が立つように大奎に出棺してもらいたいということなんです。そうすれば、満足できる。言いながら、また涙が出てきた。

=父は赤くなった両目をこすると、大奎を寝台のところに呼んで、言った。それは簡単だ、面目がたつとはどんなやり方を考えているのですか?大奎にその通りにさせますよ。はあ!大奎の父親は軽くため息をつくと言った。大奎の生活は苦しい、私は本当に忍びない。父としてこんなにふがいない自分のせいで、大奎に残す金もない。そんなことをおっしゃらないで、私たちは父親として子どもを成人まで育てる、それでいいのです。こうしましょう。何日かしたら、大奎に町の「葬儀屋」に行かせて、冷蔵庫やカラーテレビや洗濯機の模型をあなたのためにきちんと揃えさせて、さらに高級車を一台予約させ、ついでに1000万ドルの葬儀用の偽紙銭をちゃんと用意させましょう。そして、あなたのために十台のラッパの鳴り物一座を雇わせ、その日には棺の安置小屋であなたが最も好きな劇の『李家の嫁の再婚』を流しましょう。いいでしょう?

=本当ですか?大奎の父親の両眼はさっと輝き、すぐさまあえぎながら言った。じゃが、それはお金がたくさんかかってしまうな。父はさっと大奎の足を踏んだ。大奎は慌てて言った。父さん、安心して、おら、銀行に金はあるんだ。父は又大奎に対して紙を探してきて、このことをすべてちゃんと書いて、母印を押すように言った。それでお父さんを安心させられる。

=父は大奎が書いた書きつけを手にして、大奎の父親の顔の前に掲げながら、これで安心でしょう、と言った。その書きつけのあの真っ赤な母印は照り輝いて大奎の父親の顔を一面暖かな赤い色に染めるようだった。彼は頷くと言った。本当に良かった、この葬式なら、わしらの村で最も立派になるだろう、と大奎の父親は言った。

=父が出て行く時、大奎は玄関のところまで送りに来たが、心配顔だった。父は言った、おまえ、バカだな、もちろん葬式は簡単にするんだ、でも、おやじさんが亡くなるまでは、私の為にも、ちゃんと演じるんだぞ。

=ほどなく、大奎の父親は亡くなった。父は又双聯を書きに行くよう頼まれ、大奎は皆の面前で言った。父は安らかに逝きました。とても満ち足りていました。これはあなたの「幸せな死」のお陰だと感謝しなければなりませんね。父の「幸せな死」によって、知らないうちに父の名声は小さな町を走り、ついには都会にまで届いた。

=とうとう、あるセダンが父を都会まで迎えに来た。父は豪華な別荘に足を踏み入れた時、やっとわかった。これは大局長さまの家だと。局長の父親もまた、不治の病に罹っていて、心配事をたくさん抱えていた。老人はたぶん長い間臥せっていたようで、身体は大変弱っていたが、穏やかな顔をしていた。彼は父にむかってちょっと頷くと、部屋の中の人間を外に出した。彼は言った。私はあることであなたに手を貸していただきたいのです。そうしなければ、私は死ぬに死ねないのです。父は急にぽかんとなって、この老人の精神に問題があるのかと感じた。局長の父親がこともあろうにただの庶民の手助けが必要だなんて、これはとんでもないことではないか。父は畏れかしこまり、困り顔になった。本当に、必ずや私を助けてください。彼はもう一度言った。父はベッドの縁に座り、頷いた。

=私の息子は汚職官僚なのです。私が政府に息子を告発するのを手伝って下さい。老人は明らかに疲れて、ひとしきり息を切らして、又言った。以前から私は息子をつかまえては、何度も、自首させようと話したのですが、どうしても承知せず、親父呆けたな、などと言う始末なんです。父はためらいながら言った。そんなことよくないのではないですか?老人は言った。私は生涯教師をしておりましたのに、こんな息子がいるなんて本当に心が痛いです。私はこのことで気がふさいで病気になったのです。あなたは死ぬ前の人を幸せにすることができると聞きました。私を助けていただけないなんて、それはないですよ。老人の顔は真剣だった。

==(要約)父が承諾すると、老人は息子の収賄の資料をたくさん父に持っていくように言った。告発する時には、老人からの依頼である旨言ってもらえば、自首ということになり、息子は投獄されても、もしかしたら、命は留めることができる。これ以上晩くなれば、死へまっしぐらの道しか残らないと老人は言って、ため息をついた。==

=父はあるいは長いことこうした事情に遭遇したことはなかったのか、いたく感動して言った。ご安心ください。必ずおっしゃった通りにしますから。老人は突然笑った。それは無理して笑ったのだが、それがかえって一輪の秋の野菊のようで、何度見ても飽きないような美しさだった。

=その後、老人の息子は*「双規」された。さらにその後、老人はこの世を去った。亡くなる時は一人で、そばに親族は誰もいなかった。けれども老人は本当に微笑みながら逝った。父が老人の死を知った時、既に長いこと経っていた。父は自ら花輪を作った。すべてが本当の自然の野の花で、地味ながら優雅で端正な落ちつきがあるものだった。その上には彼が書いた対聯が掛かっていて、幸せの内に亡くなった老人に献じられた。父が尋ねながら老人の墓の前に来ると、墓の土山にはもう香の良い草が茂っていた。

*「双規」とは汚職の嫌疑をかけられた党員が中国共産党紀律部局による取調べを受けることを指す。容疑者は規定の時間、規定の場所で、関連する問題について説明をする。これでほぼ有罪決定らしいです。こわい。

**死にざまに関するお話は結構多く、何故か父親と息子がらみが多いです。そしてお葬式へのこだわり。息子の拇印に安心するお父さんが泣けますな。

 

面白さ★★☆☆☆   難しさ★★☆☆☆

 

 

今後の授業:9月11日・25日

 

 

author:多摩中, category:講読編, 16:15
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